旅ログ

【冬のロードバイク写真で避暑】真冬の山中湖は走りに行くもんじゃなかったという思い出話

旅ログを書くにあたってネタ探しをしていたところ、そういえば2月に行った道志みちの話を書くのを思いっきり忘れていたことを思い出した。 これから夏真っ盛りという時期だからこそ、夏の暑さを吹き飛ばせるんじゃないかという言い訳をしながら、「道志みち」&「山中湖」へのロードバイク旅を紹介する。ちなみにオリンピックロードバイク種目のコース検証も含んだライドだった。

  1. いつものごとくZEBRA cafeから始まるロードバイク旅
  2. 緩やかに始まる『道志みちクライム』
  3. 本格的なクライムの始まりを告げる『西沢大橋』
  4. 丹沢の雄大な景色を眺める下りで一息
  5. 『両国橋』から始まる急坂クライム区間
  6. ロードバイク乗り御用達の『道の駅 どうし』で地元食材を使った料理を堪能
  7. 最後のクライム区間は斜度10%近くまで
  8. 50kmの道のりの先で出会うご褒美
  9. 真冬の山中湖は、想像以上に寒い…。そして走りづらい
  10. 》丹沢・ヤビツのエリアガイドページはコチラ

51.0km
走行距離
3h23m
想定所用時間
1326m
獲得標高
986m
最大標高差
4.6%
上り平均斜度

1.いつものごとくZEBRA cafeから始まるロードバイク旅

クライマーのトレーニングエリアとしても人気の「道志みち」。
津久井湖から山中湖まで、丹沢山系の北側を貫くこの道は、距離にして50km強、高低差900mを細かなアップダウンを繰り返しながら緩やかに登っていくロングクライムロードだ。
10%を超えるような激坂などはほとんどなく、緩やかな坂道が延々と続くため、運動強度をコントロールしやすく、体力アップ、持久力アップにもってこい。編集部の面々でも時折、走りに出かける場所だ。

この日は、2020年の東京オリンピック、ロードバイク種目のコース試走を兼ねたライド。集合はJR横浜線「橋本駅」だが、編集部では「道志みちクライム」の実質のスタートは、橋本駅から10kmほど走った先にある「ZEBRA cafe」になることが多い。

橋本駅からは、津久井湖の端にある城山ダムを抜け、道志みちの入り口方面へ向かう。スタートしてから大して走っているわけではないのでクライマーのbara氏はいつも「そのまま行ったらええやん」の一言。しかし、自分としてはこれから始まる坂道に不安しかないため、途中にあるZEBRA cafeに半ば強引にピットイン!
今回もそんな感じで「道志みちクライム」が始まった。
》ZEBRA cafeの紹介記事はコチラ

ZEBRA cafeの外観写真
ZEBRA cafeの内観
クロワッサンの画像

ロードバイク乗り御用達、「道志みちクライム」おなじみのおしゃれカフェ。ここは寄っておかないと、bara氏!

2.緩やかに始まるロードバイク旅『道志みちクライム』

国道412号線と、国道413号線がぶつかる「青山」交差点が、道志道の始まりだ。T字の交差点を脇にはいれば、緩やかなクライムが始まる。入ってすぐは、標高200m程だが、季節は2月、気温は結構低い。道路脇に雪の残る山道を冷たい風を切りながら走り始める。

津久井湖の西「青山」交差点手前
津久井湖の西「青山」交差点

津久井湖側から「吉田」交差点を見た風景。道路標示に「山中湖」「道志」の文字が見える

道志みちに入るとすぐに“下り”に入る。道志みち特有のアップダウンの連続だ。斜度にして2〜4%程だろうか、緩やかな登りが続くかと思えば、またすぐに同じような下りに…。スタートから10kmほどは、そんな道が連続する。
登りでの負荷をあげて下りは休むというような、インターバルトレーニングにぴったりの道のりだ。(自分はあまりやりたくはないが…)

道志みちはいってすぐの交通表記
ロードバイクで登る道志みちの坂
ロードバイクで通過する道志みちの農村地区

緩斜面ながら、連続するアップダウンや、山あいに突然ひらけた農村部があるなど、のどかな風景を楽しむことができる

3.本格的なクライムの始まりを告げる『西沢大橋』

西沢大橋

左手には「焼山」をはじめとする標高1,000mを超える丹沢山系の山々が。丹沢らしい急斜面の山が迫力のある風景を見せてくれる

緩やかなアップダウンを繰り返した先には、「西沢大橋」という橋が見えてくる。小さな谷を跨ぐこの橋は、本格的な「道志みちクライム」の始まりを告げる目印だ。ロードバイク初心者あれば、橋のすぐ先にある「セブン‐イレブン 相模原津久井青店」で一息つくのが良いかもしれない。
この「西沢大橋」を皮切りに斜度は徐々に上がり、4〜6%前後の坂が、5km先の「平丸トンネル」まで延々と続く。これから始まる長い坂を想うと、気持ちは一段と下がる。今後、この橋は勝手に「地獄の門」と呼ぶことにした。

ロードバイクで登る道志みちの風景
ロードバイクで登る道志みちの風景
ロードバイクで登る道志みちの風景
ロードバイクで登る道志みちの風景

ゆるやかなアップダウンを繰り返す道志みち序盤。『道志まんじゅう』の看板が「ちょっと止まって休もうよ」と誘ってくる

4.丹沢の雄大な景色を眺める下りで一息

まっすぐな直線坂道を超え、「平丸トンネル」をくぐれば、つかの間の休息、数少ない大きな下り&平坦だ。下りながらいくつかのスイッチバックを過ぎると「青根」という山あいの集落に出る。景色が開け、正面に「大室山(おおむろやま)」という標高1500m級の山が出迎えてくた。山道は基本嫌いではあるが、両サイドを木々に囲まれ、鬱々とした気持ちで坂道を登った後、いつかは出会えるこういう開けた風景が、いつも心を癒してくれる。
しかしそんな美しい景色も長く続かない、「平山トンネル」からの下りは、キャンプ場のある「両国橋」までおよそ3kmほど。下りきった後、道志みちは、大室山右側を迂回しながら再び登りはじめる。

正面に大室山を望む道志道の途中
下り坂の途中にある「青根」交差点
道志みちの途中、青根地区にかかる橋

下り途中にある「青根」交差点を過ぎ、谷に架かる橋を過ぎてもまだ下る。大きな下りは、ここと、あと1箇所だけだ

5.『両国橋』から始まる急坂クライム区間

道志みち入口の「青山」交差点からここまで14km程、橋本駅からだと27km弱。ロードバイクからすれば決して長くはない距離とはいえ、ある程度アップダウンを繰り返しながら登っているため、少なからず体力を奪われている。そんなところで出てくるのがこの「両国橋」をすぎてすぐの急坂だ。道志みちの中でも最も斜度がきつくなるこの場所は、下の写真の通り、斜度10%を超える激坂区間。毎回、この坂の途中にある「両国屋」という旅館で一休みしてしまう。
小休止を取ったところで、再度鬱々とした気持ちが復活しながらもペダルを回し始める。ここからは、4~6%前後の坂が3km程続く“苦行区間”だ。

両国橋からつづら折りの先を眺める
両国屋前のヘアピンカーブ

両国橋を過ぎると、正面の崖(写真:上)をつづら折りながら登って行く。ここからが道志みち前半の最大の難所だ

ロードバイクで走る道志みちの風景
ロードバイクで走る道志みちの風景

苦しい登り区間を3kmほど進むと、ふたたび緩やかな緩斜面になり、心落ち着くのどかな原風景が続く。まもなく「道の駅」だ

6.ロードバイク乗り御用達の『道の駅 どうし』で地元食材を使った料理を堪能

両国屋後の登りをクリアした後は、再度2kmほどの下りになり、足を休めさせることができる。こう言ったルートの場合、意味がないとはわかっていても毎回思ってしまうことだが、どうしても「せっかく登ったのに、勿体無い」と考えてしまう。山道だから当たり前なのだが…。(全ての上り坂よ、どうかなくなってしまえ…。)

そこからは1~4%の緩斜面が延々と続き、11kmほどで「道の駅 どうし」に辿り着いた。
「青山交差点」からはちょうど30km。トレーニングとして道志みちを登るロードバイク乗りの中でも、この「道の駅」を折り返し地点としている人も多いようだ。ちらほらとサイクルジャージ姿の人たちを見かける。
もちろん、道志みちは50kmほどの道のりなので、休憩なしで登り切るの人も多いだろう。しかし、ここでは、山菜や鮎、道志ポークなどの地元の食材を使った料理が堪能できるので、ぜひ訪れた際には昼食がてら立ち寄ってみることをお勧めする。

「道の駅どうし」の外観
「道の駅どうし」のエリアマップとロードバイク
「道の駅どうし」のメニュー表
「道の駅どうし」の月見うどん
「道の駅どうし」の山菜うどん
「道の駅どうし」の鮎の塩焼き
「道の駅どうし」のソフトクリーム

道志で採れた食材を使った「山菜そば」や「道志ポークカレー」など、このエリアならではの料理を楽しめる

7.最後のクライム区間は斜度10%近くまで

最初にお伝えしておくと、道志みちはここからが最も辛い区間に入って行く。
「道の駅 どうし」をすぎた後は、もう下りはなく、ゴールである「山伏峠」までひたすら登り続ける道のりだ。
3%ほどから始まる斜度は進めば進むほど上がり、特に終盤「山伏オートキャンプ場」を超えてからの二連続の直線坂道は、平均斜度も10%近くになる。長距離をほぼずっと登ってきたあとのこの坂は、容赦無く心を折ってくる。ここまでくると、もはや「坂が苦手」とかいう話ではない。そんなことを言っていても坂は緩くも短くもならない。ただただ自分の呼吸に意識を向け、無心でペダルを回すだけだ。

道志みちの途中にある「つみ草屋」の入り口

「道の駅 どうし」から5kmほど登ったところにある『つみ草屋』では手ぶらでBBQを楽しむことができる。道沿いにあり、オリンピック観戦にもってこいだ

道志みちの最後の坂をロードバイクで登る
道志みちの最後の坂をロードバイクで登る

「道志みち」の最後はきつい斜度の直線が連続し、最後の牙を剥いてくる

山伏峠にある「山伏トンネル」

50kmの道志みちの終着点「山伏峠」(正確には山伏トンネルの出口が舗装道路のてっぺんだ)。ここを越えれば、山中湖まで一気に下りだ

8.長い坂道の先で出会うご褒美

50kmを登りきり、山伏峠を超えると、その先はもう富士山エリアだ。トンネルを出て下りをしばらく進むと、それまでその一部分すら見えなかった富士山が急に姿を表す。その大きさは、遠近感覚というか、スケール感覚が麻痺してしまうほどだ。中腹あたりまで雪の冠をかぶったその姿に目をこらすと、自然の厳しさを麓からでも感じることができた。まさに圧巻!もしかしたらこの姿を見るために、苦手な登りを何度も登るのかもしれない。
別に宗教や歴史について詳しいわけではないが、富士山信仰を行う人達の気持ちがなんとなく分かる気がした。

山伏峠を抜けた先から望む富士山

それまで見ていた「山」の感覚が崩壊するほどの雄大さに圧倒され、しばらく言葉を失う

9.真冬の山中湖は、想像以上に寒い…。そして走りづらい

考えてみればすぐ分かる話なのだが、山中湖は標高1000m近い場所にある。そのため、2月上旬は気温も低く、夜は氷点下になるし、雪だってなかなか溶けない。実際、山伏峠までの道のりでも、先週降ったはずの雪がまだ残っていたし、山中湖は一面に氷が張り、湖周の自転車道も雪で埋まっていた。また、道は乾いている箇所ももちろんあるが、雪解け水で濡れているところも多く、あまり快適に走れるとは言い難い。
刺すような寒さの中、確かに、冬の澄んだ空気の中見る景色は素晴らしかったが、それ以上に過酷だ。クライム中は大して気にならなかった寒さも、風のせいもあってか、山中湖周辺では一段と身にしみる。気温、悪路、それらが、ある意味、道志みち以上に体力を奪っていった。

一面に氷が張った山中湖
山中湖の自転車道路と雪とロードバイク

山中湖沿いの自転車道を走ると、まだ除雪されていない箇所にそのまま突っ込んでしまった(もとい、あまりの悪路に、逆に楽しくなって意図的に突っ込こんだ)

こんな過酷なライドでも、雄大な景色や自然を感じるには最善のコースだという点では、編集部の中でも意見が一致した。そして、ぜひ来年の初春の道志みちを体験してもらいたい。雪が残る冬の道志みちや、山中湖の風景はなかなか貴重なものだ。
ただ、改めてこれだけは言っておきたい「そんなに俺は山に登りたいわけじゃないぞ」と。

》丹沢・ヤビツのエリアガイドページはコチラ

関連エリアガイド

eyecatch_07-08

富士山

名峰「富士」。標高3,776mの日本一のその山は、ロードバイク旅においても最も魅力的な場所のひとつだ。毎年初夏に行われる『Mt.富士ヒルクライム』のコース「富士スバルライン」をはじめ、「ふじあざみライン」「富士スカイライン」と名だたる坂がクライマーたちを魅了し、周囲に有する5つの湖や高原地の草原が作り出す雄大な風景が、全てのローディを楽しませてくれる。まさに理想の「ロードバイク旅」を叶えるにふさわしい、編集部イチオシのエリアだ。漫画「弱虫ペダル」に登場するインターハイのコース、及びゴール地でもある。