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【東京五輪2020特集】ロードバイク競技編集部座談会/前編(1)

RbJ編集部では、オリンピックに向けてロードバイクをより楽しめるよう、座談会を実施。予想したコースを踏まえて、戦況ポイントや、観戦場所、出場枠予想などあれこれを談義を重ねてみた。

    はじめに
  1. RbJ編集部座談会とは
  2. 座談会スタート
  3. コース全体の概評
  4. 試走の感想
  5. 観戦はどこでする? (前編(2)に掲載)
  6. 絶景ポイントは? (前編(2)に掲載)
  7. 出場選手について (前編(2)に掲載)

》RbJ編集部座談会/前編(2)を読む

はじめに

1.RbJ編集部座談会とは

RbJ編集部では2020年のオリンピックロードバイク種目について様々な角度で分析を行うことで、より当日を楽しんでもらえればと思う。その一環として、まずは編集部自身が、オリンピックでのロードバイク種目に対する知見をより深めるために、編集部での座談会を行った。その一部始終をここにまとめる。と、堅苦しい口調で入ってしまったものの、ただのいちロードファンたちが、集ってロードバイクのあれこれを雑談しているのと差して変わらないかもしれない。そのくらいの気軽さで読んでもらえればと思う。

注)座談会を行なった編集部員が、サガンのことが好きすぎたため、話の論点が「サガンはイケるのかイケないのか?」になっていることが多く、正しい評価・分析になっていない可能性が多々ある。どうか生温かい目で読んでやってほしい。

役割分担について

MRSN(以下M):ロードを3年やっててもロード情勢に疎いため、定量データの収集担当
BARA(以下B):世界の選手や大会、名所などに詳しいため評価担当

座談会スタート

2.コース全体の概評

こんにちわ。MRSN(モリスン)です。

どうも。BARA(バラ)です。今回は東京オリンピックも近くなってきたと言うことで、座談会形式でレビューしてみます。まずは、コース全体の評価から話していきますか。
昨日(編集部予想のコースの)前半を走ったけど、まず全体の距離感は何キロだっけ?

266kmですね(笑)
後半、周回する場所が未確定なので微調整があるかもしれないですが、現在発表されている数字は266です。

オリンピックロードレースの推定コース
RbJ編集部推定のオリンピックロードバイク種目コース

…。ワンデーレースとしても結構ながい、パリ〜ルーベくらいの長さってことね。ロンドでもこんなに長くなかったような。

2017年でいうと、パリ〜ルーベが257km、ロンドが260kmですね。

で、しかもこの距離で、獲得標高は(RbJ編集部の現在の予想コースでは)5000m…。5000mって結構すごいよ。

あまり見かけない数字ですね…。

ツールのでいうとどのコースかな。

カタカタカタ…(データ収集中)

でました、毎年、第9ステージがジュラ山脈を超えるコースらしく5000m級の獲得標高です。ただシーズン中のメイン山岳コースなので、距離は200kmにも満たないですね。そこが逆に怖いですけど。


2017年ツールドフランス第9ステージの標高図

181km/4600m。7つの峠の内3つが超級、いずれも平均斜度9%オーバーの激坂。

なるほど、じゃあ、先日話していた上りがすごいコースってなんだっけ?

あれはジロです、ステルヴィオ峠。2017年ジロ・デ・イタリアの第16ステージが、222kmで獲得標高5400m。

じゃあ、平均斜度はさらにすごいことにななるね。

はい、イタリアの車道最高地点のステルヴィオ峠、標高2700mを登るコースで、しかも、大きな上りが3回あって、その3回で、予定標高のほとんど獲得してしまうんです。

対して、編集部の予想コースでは、4回で5000mね。
(山伏峠・富士麓×2・明神三国峠)

そうですね。編集部予想のコースでは、コース後半に山中湖、富士スピードウェイ(以下、富士SW)の周辺、富士山麓、富士SWのいずれかを周回するということまではわかっていますが、そのあたり、どこをどちら向きに何周するかによって、獲得標高と難易度が変わってきます。ただ、どのパターンになっても、クライムはおおよそ4回くらいは登るのではないかと。
要するに、ジロの16stが3回のクライムで5400mという、地元紙が「悪夢」と表現したほどの異常なクライマー向けステージに対して、今回は距離が伸びて、高さが若干抑えられている。すこし分散されているイメージですね。

一回の上りの距離がそんなに長くないということかな。上りの最長は何キロくらいですか?

んー、富士山の麓、南富士エバーラインの15km上り。平均斜度6%程ですね。

ヤビツ峠が12km弱で5%くらいなので…、ヤビツよりちょいしんどい坂を3回半〜4回くらい往復する感じね。どうですかMRSNは。

え…いや、拒否します。
全力で拒否します!

(笑)無理だよね。まず、スプリンターは完全に無理だよね。カベンディッシュは年齢的にもあれですが、下手をすると、おそらく前半の山伏峠で無理なんじゃない。

あ、スプリンターってそんなに無理なんですか。

だって、切れちゃうので。

あーそうか。もちろん僕たちとは比較にならないほど登れたとしても、さらに一流クライマーと比べたら切れてしまうんですね。昨日、試走してきましたが、山伏峠はかなり坂がハードになっている部分もあったりしましたね。確かにそこでは切れてしまうのかもしれませんね。

おそらく道志みちの道の駅までは、集団を維持できると思うけど、山伏峠はさすがに無理なんじゃないかな。

山伏峠はまだスタートから90kmくらいで、2/5程度もいってないですが、そんな、序盤からアタックしていく感じになるんでしょうか。

山の場合、集団で走るというよりは、いくつかの小さなグループに別れて走ることが多いけど、まぁ(上り区間の)距離がそんなにないので、大集団でいける可能性もあるかもしれない。でも、クライマーたちが山伏峠程度の斜度を、アシスト込みで引いていったとしたら…まぁ、無理だよね。

一応ね、山伏峠はきつい上り(7~8%)が最後の4km程度。そこまでは、下りが終わる両国橋以降でみても、平均斜度2〜3%なんですよ。

もしかしたら、ついていける可能性はあるかもね。サガンとかであれば前半は余裕で、むしろ得意な部類。ジルベールやヴァン・アーヴェルマートなんかもついていけるだろうし、でも、それでも全員というのはね。

では、この山伏峠で遅れた場合、山中湖での周回で取り戻すことはできるんですかね。

もちろん、スプリンターだから足使って集団に戻ることはできるけど、そのあとまた登るからね。

じゃあ、今回の編集部予想の初案コースでは、「山伏峠」の後の大きな上りは、富士麓→富士麓→明神三国峠です。特に明神三国峠は南側から攻める、ひどい方のコースです。

頭おかしいね(笑)

ここでスプリンターは完全に振るい落とされるということですね。

ちなみに、明神峠までにどれだけ登ってるの?

富士麓は15kmで900mなので、つまりは直前に約2000mほど登った後、10%の山を、6.7km、獲得標高670m上ります。

あー、無理だね…。

一応、今回の初案は最もハードなコース設定にしています。

ちなみに、(明神三国峠を含む富士SWの周回の向きを)逆だったらどうなるの?

逆の場合は、少し楽になって、籠坂峠を14kmかけて650mで4.3%です。

4.3%ね…。とはいえ、それまでにトータル4000m以上登ってるからね。富士のところを2周するのは確定なんだよね。

いや、そこはわからないです。あくまで発表されているのは案ですし「山中湖、富士周辺を周回する」というざっくりしたものです。
なので、可能性として、山伏峠後の山中湖の周回(13km強)がありますが、そこの周回数が多ければ多いほどして距離を稼ぐコースになれば、スプリンター達にもチャンスがあるのでは…。

いやー、勝負所が結局山になると思うよ。

では、いずれにしても、富士山麓、及び三国峠もしくは籠坂峠が勝負所になる、と。
でも、それだと(スプリンターに勝ち目がないので)この区間が面白く無くなってしまう可能性はありますね。

んー…例えば、昔のツールで最後の下り&平坦でサガンが追いかけるも2位で終わったレースあったじゃない?あれどういうコースどりだったのかな?

あー、最後の上りで1分以上くらい差がついてしまって、直後、ゴールまでの下り10kmくらいで猛追するやつですね。

(カタカタカタ…)

でました、2015年ツール・ド・フランス第16ステージ。最後の上りが、「マンス峠」で8.9kmで500m弱上り、ですね。下りは10kmで同程度の標高差を下るかんじです。


ツールドフランス2015第16ステージの標高図
 

第16ステージ ブール・ド・ペアージュ〜ギャップ 201km
ブール・ド・ペアージュから徐々に高度を上げていき、山間の街ギャップにフィニッシュする。登場するカテゴリー山岳は2級山岳カーブル峠(9.1km/4.6%)と2級山岳マンス峠(8.9km/5.6%)。この日の注目は数々の栄光と挫折を生み出してきたフィニッシュ12km手前に位置するマンス峠の下り区間〜(中略)〜テクニカルなダウンヒルが待っている。下りのスペシャリストたちがヘアピン連続ダウンヒルで目一杯攻めると、山頂フィニッシュ以上に大きなタイム差が生まれる可能性も有る。
cyclo wired.jp|ツール・ド・フランス2015ステージ紹介・後編

で、今回のコースの後半に出てくる山が?

(マンスが8.9kmで500m上り)←サガンはここで1分離され、そのまま敗北した。
富士麓が15kmで900m、
明神峠で6.7kmで670m、
籠坂峠は14kmで650m。

はい、無理。
サガンも無理です。
なので今回は、クライムコースと言い切っちゃっていいんじゃないかな。

過去のパンチャー達の戦績からみてもですかね。

パンチャーでもギリギリ無理じゃないかな。サガンに至っては、彼の脚質はパンチャーではなく「サガン」ですから。

(笑)新たな脚質ですね。

登れて、下りが早い脚質、サガンです。
かつヴァン・ファンベルマートが一番サガンの天敵と言われるけど、彼も難しいと思うので。て、考えたら、おそらくですが、もうフルームとかその辺の選手向けのコースになるんじゃないかな。

見えてましたね。
ということは、このツール2015の16ステージと比較した感じだと、富士SWあたりが、籠坂か三国のどちら周りになろうとも、登った後の下り&平坦で追いつくというこのは…

上りで切れてしまうから、無理ですね。そもそも、富士麓10分以上差がついてしまうから無理なんじゃないかな。

じゃあもうクライマーの土俵だと。

そう、だから今回は、上りと同時に下りも多くなるので、クライマーの中でも下りで落車などをせずにアタックできる選手が有利じゃないかな。

わかりました。今回はおそらく最もハードなコース設定にしていますが、では、獲得標高を下げたコースだった場合はどうでしょうか。
パターンとしては、山中湖の平坦周回を増やして、富士麓を1周のみ、富士SW周りも、右回りで籠坂峠を登る方にした場合です。

それは、ないんじゃないかなぁ。
仮にライトだとしても、結局上りはあるから、行けたとしてもクライマー以外では、ヴァンベルマート、サガン級の選手くらいじゃないかな。ただ、2016年のリオオリンピックでも、メインの上りは最後の周回で500m弱を3回登るだけだったけど、それでもサガンはクライムがあるから諦めて、MTBに変更して出場したし。

スプリンターたちからしたら、「富士山を登るなんて正気じゃないぜ」っていう感じですかね。

だからそうあたりのことを加味しても、今回は通常のパンチャーレベルで超えられるレベルではない、いわゆる「クライムステージ」だと言っちゃっていいと思う。

3.試走の感想

じゃあ次は、我々目線に切り替えて、試走の感想ですかね。評価の段階で若干感想も含まれていましたが。

尾根幹はいつも走っているから、そんなきついとかあまり感想はないけど…。

僕はきつかったですよ!

(笑)スプリンターですからね。

風もありましたがそれよりもアップダウンが激しすぎます。多連装峠道と名づけたいとおもます。

いや、峠一つもないから(笑)

僕からしたら、あれは峠です(キリッ)

でもまぁ実際のレースでは、尾根幹はパレードランに近いですかね。尾根幹後は、津久井湖〜青山交差点まで平坦で、そこから道志みちのヒルクライムが始まりますね。

道志みちはそんなにきついという訳ではなかったけど、青根交差点手前から両国橋までの下り過ぎから、そこから本格的にクライムが始まる感じだよね。

あの下りは唯一の休めるポイントかもしれないですね。そのあとはひたすら上りでヒーヒー言いながら上ってました。

でもこのあたりはまだ、選手たちは余裕で登っていくだろうね。

僕たちは、試走したと言っても、山中湖周回までなので、全体の2/5程度(100km)ですからね。それでもかなりしんどかったです。

どこが一番きつかった?

もちろん山伏峠の最後です。

どこか他の山と比較するとしたら?

え…。うーん、いや、僕にとって坂は全部「辛い」なので(笑)指数つけても全部5ですよ。ツラ5。風張もヤビツも大垂水もみんなツラ5ですよ。

大垂水もふくまれるんだ(笑)

でも今回は、風張峠よりも辛かったですね。山伏峠アタックという括りなら、津久井湖スタートでしょうから、そうすると結構距離があります。42kmくらいですね。

風張峠で(武蔵五日市駅からだと)30kmくらいだから、プラス10kmを加味すると辛いかもね。

あとは、道志みちは一部下りがあるもの、上り続ける区間が長いので。

でもアップダウンはトレーニングになるよね。プロも結構ここでトレーニングしているよね。途中で「酒饅頭」も売ってたりするし、とちゅう小休止しながらでもいいね。

え、そんなんありました?

いや、ところどころ饅頭の「のぼり」が立ってたよ。

そんなもの見えるわけないじゃないですか。僕はクライム中はずっと下向いてるんですから!

……。


》RbJ編集部座談会/前編(2)に続く…
 4.観戦はどこでする?
 5.絶景ポイントは?
 6.出場選手について