旅ログ

バイクパッキングとは何ぞやの教え《準備編》

ロードバイクでキャンプ道具を積んで山の中を走り回る人たちを最近よく見るようになった。調べてみると、北米発祥のバイクパッキングというジャンルの遊び方らしい。 めっちゃかっこいい&めっちゃ面白そうということで、いろいろ調べてみながら自分たちもやってみようということになった。まずは準備編をお送りするので自分たちと同じバイクパッキング初心者の方の参考になればと思う。

  1. バイクパッキングとは一体なんなのかという話
  2. バイクパッキングのベーシックアイテム
  3. 今回の準備で回った店舗 オススメは「新宿」
  4. 東関東でオススメのバイクパッキングの行き先

1.バイクパッキングとは一体なんなのかという話

レース用のロードバイクにキャンプ機材を積み込んで自然の中を走り回る。ただしサイドキャリアやらフロントキャリアの金具を取り付けるといった重装備ではなく、バッグを直接自転車に取り付けていかに軽装備化できるかを志向する。これが「バイクパッキング」だ。
北米を中心に、実はロードバイクの使われ方が日本とは全く違う。走って終わり、ではない。どこででも一泊できる準備があるからこそ行ける場所へ行く。あるいはその一泊を最大限楽しむ。それも含めて、「バイクパッキング」と呼ぶ。一見、不便だし現代的ではないジャンルであることに違いはない。物を積めば、それだけ重量は重くなり、スピードは出ない。昨今のロードバイクのエアロ志向など全く役に立たない。いや、そもそもキャンプに行くなら自転車じゃなくてもいいのでは。
いやいや、と。不便だからいい。制限があるからそこに工夫を加えて、格好良くイケてる体験を自ら作り出そうぜと。
昨今、上記の通り北米を中心にバイクパッキング需要が上がってきていることからアイテムも充実しつつある。完全防水のバッグや、スマホの充電ができるライトなど、バイクパッキング専用のツールなんかも出ているし、何よりデザインが結構いけている。
その辺の情報をまずは準備編としてまとめてみよう。

2.バイクパッキングのベーシックアイテム

パッキングアイテムを全て並べた画像

バッグ類

フロントバッグ、フレームバッグ、シートバッグの3種類のバッグがメインとなる。荷物量にもよるが、一泊以上のキャンプを想定するなら、おそらくこれらのバッグは何があっても必要となる可能性が高い。
できれば購入するにあたって気をつけるポイントは完全防水であることと、シートバッグに関してはコンプレッションバッグという空気を後から抜くことができる袋と分離できるタイプであること。防水は突然の雨などに対応できること、コンプレッションバッグは荷物量を増やすことができることの二つの観点から選択したい。
《主要なブランド例》
Apidura、Revelate Disign、Ortlieb、Blackburn

テント

登山用一人テントで軽量なものだと全部で1Kg前後の装備が可能。積み込んだ状態でヒルクライムも十分可能となる。
気をつけるポイントとして、自立するタイプかどうかと、ダブルウォールかシングルウォールかという2点があげられる。
自立式はその名の通り、テント単体で立ち上がるので道の駅などのアスファルトの上でも立ち上げることができる。一方、非自立式はペグを打ち込んでロープで立ち上げる必要があるため、ペグを打ち込むことが可能な土の上でしか立ち上げることができない。可能なら自立式を選びたい。
もう一つテントの構造としてダブルウォール、シングルウォールがあるがこれは基本的にはダブルウォールを選ぶに越したことはない。ダブルウォールはインナーテントの上にフライシートというシートを被せることによってテント内の結露を防ぐ構造のことだ。シングルウォールはコンパクトに持ち運びができるのだが、フライシートがないため結露のリスクがある。
《主要なブランド例》
MSR、NEMO、TERRA NOVA、mont-bell

調理器具

調理器具はどこまでこだわるか、人によって最も装備の種類が変わるアイテムといっても過言ではない。基本的にはガスボンベに取り付けるだけでコンロに早変わりするガスバーナーと、その上でお湯を沸かしたりするクッカーがあれば十分にやっていける。あとは肉を焼きたければ網があるといいし、ホットサンドメーカーなんかを持ち運ぶ人もいる。
《主要なブランド例》
Snow Peak、Chums、Coleman、CAPTAIN STAG

寝具

寝具はかなり重要だと断言しておきたい。キャンプの経験がある方ならわかると思うが、特にハードなバックパッキングにとって睡眠は重要。ぜひ安眠できるアイテムを揃えてもらいたい。
まず揃えるべきはテントマットと、シュラフ(寝袋)の二つ。テントマットは地面の凹凸を平らにすることに加えて、地面の熱を断熱する役割を持つ。サーマレストのマットなどは335gと軽量かつ、空気を入れる前であれば丸めてコンパクトに運ぶことができるのでおすすめ。
シュラフは季節によって種類が変わってくるので、走る時期の気温を見ながら最適なアイテムの選択が必要。特に高山では思いの外、日没後寒いことが多いので夏でも5度程度まで耐えられる装備は必要と考えた方が良い。足元まで完全に袋のようになっているマミー型と四角いジッパーで広げることのできるレクタングラー型の2種類があるが寒い時期まで想定するのであればマミー型が確実と言える。
《主要なブランド例》
テントマット:THERMAREST
シュラフ:mont-bell、NANGA

電源・充電アイテム

スマホ、ライト、サイクルコンピューターなど充電が必要なものは意外と多いため、充電グッズはしっかり揃えておきたい。
確実に持っておくと便利なのは、モバイルバッテリー。しかし最近、ライトとモバイルバッテリーがセットになったKNOGという製品が出たことで、これがバイクパッカーにとってのデファクトスタンダードになりつつある。ライトニングケーブルなどのケーブル類も忘れないようにしたい。
《主要なブランド例》
KNOG

着替え・サンダル

これも人によって、選択が分かれるのだが、個人的には夏であれば上着のジャージは水洗いして干しておけば1日で乾くので1枚予備があれば十分と考えている。寝るときのTシャツ、パンツ、短パンを1式と雨用のウィンドブレーカーがあれば二泊ぐらいはできてしまう。あとは、折りたたみ型のサンダルはバイクパッキングには必須アイテムだ。キャンプ場でビンディングシューズで歩くのはかなり辛い。軽量で耐久力のあるのものを選びたい。

3.今回の準備で回った店舗 オススメは「新宿」

キャンプアイテムとパッキングアイテムを効率よく見つけるために、アウトドア専門店が多くある新宿をメインに探した。ネットで調べたりすることもできるが、始める際にはぜひ、まずは店舗に足を運んでみてほしい。種類が豊富な大型店舗でたくさんの実物を手に取ってみることで、自分の思い描くバイクパッキングスタイルをイメージしやすいはずだ。

エルブレス新宿店

エルブレス新宿店の外観
Address 東京都新宿区新宿4丁目1−11
Web victoria.co.jp
TEL 03-3354-8951
平日・土曜 11:00-21:00
日曜・祝日 11:00-20:30
▲新宿東南口すぐの好立地に位置し、地下1階から8階まで9フロアに渡って、幅広いアウトドアジャンルの商品を揃える大規模アウトドア専門店舗。キャンプ用品だけでなく、地下1階にはグラベルロードをはじめとする自転車本体から、バックパッキング関連の商品を多数揃え、この1店舗で揃えるとも可能だ。


Mt.石井スポーツ 新宿東口ビックロ店

ビックロ新宿店の外観
Address 東京都新宿区新宿3丁目29-1ビックロ新宿東口店8階
Web ici-sports.com
TEL 03-5363-5741
営業時間 10:00-22:00
▲家電量販店にアウドドア用品?。侮るなかれ。ビックロの最上階8Fにあり、売り場面積550坪という国内でも最大規模を誇る登山専門店だ。ランニング・トレイルランニング専門店「アートスポーツ」と、石井スポーツがセレクトした12のアウトドアブランドショップも軒を連ねる。本格的なキャンプ用品を求めるならこちらの店舗がオススメだ。


Jedia/TOKYO WHEELS 三宿店

TOKYO WHEELS 三宿店の外観
Address 東京都世田谷区三宿1-3-23クラールハイト三宿1 1階
Web tokyowheels.jp
TEL 03‐6706‐4687
営業時間 12:00-20:00/月曜定休
▲自転車に関するおしゃれなファッション&グッズを集めたセレクトショップ。こちらの店舗は数少ないApiduraの取り扱い店舗でもある(TOKYO Wheels日本橋店でも取り扱いあり)。バック系アイテムは自身のバイクに当ててみないと不安がありネットのみで購入しづらいが、こちらの店舗では、装着もできますのでと丁寧に案内してくれた。


4.東関東でオススメのバイクパッキングの行き先

関東圏以外に住まいの方には申し訳ないが、編集部がこれまで回ってきた場所などの経験を踏まえ、バイクパッキングをするにあたってのオススメの場所を3つほど紹介したい。

山中湖へキャンプライド

標高1000m近い場所にある山中湖。湖畔にはいくつかのキャンプ場があり、富士山の絶景スポットとしても知られている場所。富士山と聞くと遠いイメージを抱く人もいるかもしれないが実は新宿からでも100kmちょっとで辿り着けるのだ。東京側からなら、途中、道志道の山伏峠クライムも楽しむことができる。他にも小田原〜箱根方面から訪れるハードなコースどりもあり、玄人のローディならオススメだ。
山中湖には自転車用の周遊道路もあり、富士山麓全体を通して非常に走りやすい道が広がっている。山中湖で一泊した後、富士山麓をさらに奥へ奥へと進んでいくベンチャー感溢れるバイクパッキングライドなども楽しめるだろう。

奥多摩へヒルクライムキャンプ

東京近郊でのクライムといえば、やはり奥多摩は外せない。最寄駅となる武蔵五日市駅から、奥多摩最高地点「風張峠」までの道のりは、獲得標高1000mを超える本格クライムライド。その分苦労してたどり着いた自然豊かな奥多摩でのキャンプの時間は何事にも代えがたい体験になるだろう。また奥多摩は風張峠以外にも「風張林道」や「鶴峠」など様々なコースどりが選べるのも魅力。
昔ながらの原風景を残す田舎の街並み、静かに流れる渓流、美しい滝、さまざまな魅力的な風景が豊富なのもこのエリアがライドに人気である理由の一つだ。
なお、途中の「都民の森」に訪れたなら”味噌田楽”を楽しんでほしい。

》奥多摩のエリアガイドページはコチラ

大島でキャンプしながら島巡り

東関東ではないが、島を周遊するバイクパッキングもオススメしたい。例えば一周52kmの大島。ロードバイクで普通に走ってしまえばほんの2−3時間で回れてしまう距離だが、そこをあえてゆっくりとバイクパッキングするのだ。火山島である大島は、本島ではみられない特徴的な造形の大地が続き、島全体を美しい緑が覆い尽くしている。反対側に目をやれば、ただひたすらに真っ直ぐな水平線…。気の向くまま島を周遊し、お気に入りの場所を見つけたなら、そこでテントを張って、大島の大自然とキャンプ料理を楽しむ。そんな時間2、3泊ほど繰り返しながら、体全身でゆったりと自然感じる。そんなきままで贅沢な時間を過ごせるのもバイクパッキングならではの魅力。